その希有な才能とカリスマ性によってジャズの概念を変えた男、セロニアス・モンク。
ミステリアスな彼の素顔、スタイリッシュな出で立ち、そして誰も真似できない圧倒的な演奏。
まさにモンクの総てがここにある!
20世紀最高のジャズ・ミュージシャンのひとり、セロニアス・モンク(1917─82)。彼の円熟期の姿が収められた2部作のドキュメンタリー映画が劇場初公開。モンクの断片的なライブ映像は現在もいくつか残っているものの、ドキュメンタリー作品はほとんどつくられていない。本作はその決定版であり、クリント・イーストウッドが製作総指揮を務めた『セロニアス・モンク/ストレート・ノー・チェイサー』(1988)にも本作の映像が使用されているほど。ナレーションや過度な装飾を排してステージの熱気を余すところなく伝えるとともに、プライベートにまで肉薄することによって、モンクというひとりの天才と同じ場にいるような臨場感が味わえる。まさに伝説の巨人の魅力がたっぷりつまった珠玉の連作!
MONK モンクMONK
監督:マイケル・ブラックウッド/クリスチャン・ブラックウッド│出演:セロニアス・モンク(ピアノ)、チャーリー・ラウズ(テナー・サックス)、ラリー・ゲイルズ(ベース)、ベン・ライリー(ドラムス)、パノニカ・ドゥ・コーニグズウォーター│1968年│58分│アメリカ│B&W│スタンダード│モノラル│©1968 All rights reserved by Michael Blackwood Productions
自身のカルテットを率いて、ヴィレッジヴァンガードやコロムビアレコードのレコーディングスタジオでのセッションに臨むモンク。唇に煙草を挟み、汗まみれになりながら激しいパフォーマンスを繰り広げるモンクだが、一旦ステージを降りると人懐っこい笑顔を浮かべ、庇護者のニカ(パノニカ・ドゥ・コーニグズウォーター)らととりとめもない会話に興じる。そのギャップも彼の魅力のひとつ。
モンク・イン・ヨーロッパMONK IN EUROPE
監督:マイケル・ブラックウッド/クリスチャン・ブラックウッド│出演:セロニアス・モンク(ピアノ)、レイ・コープランド(トランペット)、クラーク・テリー(トランペット)、フィル・ウッズ(アルト・サックス)、
ジョニー・グリフィン(テナー・サックス)、チャーリー・ラウズ(テナー・サックス)、ジミー・クリーヴランド(トロンボーン)、ラリー・ゲイルズ(ベース)、ベン・ライリー(ドラムス)、ネリー・モンク
1968年│59分│アメリカ│B&W│スタンダード│モノラル│©1968 All rights reserved by Michael Blackwood Productions
1968年に行われたヨーロッパツアーの記録。足で床を叩いてリズムをとりながら圧巻の演奏を見せるモンク。それに負けずとも劣らない迫力のパフォーマンスで応える実力派ミュージシャンたち。ロンドン、ストックホルム、コペンハーゲン、ベルリン、マインツ、ロッテルダム各地でのステージに加え、モンクのホテルでくつろぐ様子、街を闊歩する姿なども収められている。